北野神社
検索
カレンダー
2010年12月
« 11月   1月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
カテゴリー
メタ情報

Archive for 12月 2nd, 2010

最近のお問い合わせ

2010年 12月 2日

毎年この時期になりますと、ある問い合わせを多く頂きます。それは身内で不幸があったのだけれど、

お正月を迎えて良いか(神まつりを行って良いか)ということです。

喪に服することを服喪といいますが、私たちは宮城県神社庁が示す服喪に関する規定と、神道的死生

観の見地からそれらのお問い合わせにお答えしています。先ず私たちは毎年歳を重ねてゆきます。歳

=年とは、実はお米の事なのです。私は~歳というのは米を頂いてきた期間を共通認識として表すもの

です。ですから喪中だから年はとらない(新年は迎えられない)というのは在り得ない事なのです。

以上の事を大前提に踏まえた上で、服喪についてちょっと書いてみようと思います。

服喪は厳重な忌みの期間である忌中と、服=心喪の期間からなります。忌中は日常の社会生活を慎み、

ひたすら葬儀と故人の追悼に専念します。一方、心喪は忌中があけ、日常生活に復帰しながらも、死者

を追慕し、その霊魂の安らかなる事を願っている状態です。忌中の期間は故人との関係にもよりますが、

長くても10日間とされ、心喪は忌中を含んで最長50日間とされています。つまり仏式でいうなれば、故

人がお仏様になられる49日までの供養を済まされたならば、神職によりお祓いを受け、問題なく神まつり

を行える事になります。さらに厳密に言うならば、故人の供養をしながらも、忌中を終えた時点で日常生活

に戻るわけですから、そこでお祓いを受け神まつりを再開してもかまわない事になります。当地方は漁業の

町ですので、船にたずさわる方が多く、船魂様をお祭りする都合上、忌中を終えてすぐお祓いをうけ、日常

に復する方も多いのです。最終的にどの日数をもって服喪を解くかは個人の考え方次第ですが、過剰に喪

に服することは、かえって日常生活に支障をきたすことになり、亡くなった人も喜ばないばかりか、神まつり

を軽んずることになってしまいます。今年、ご不幸にあわれた方こそ、お正月には新しい気持ちで新年を迎

えて欲しいと思います。折角やって来たお正月の福の神を門前払いするわけにはいきませんからね。