神様も踏ん張り時
2011年 7月 2日
今日も天気の良い一日でした。でもそんなに気温が上がらなかったのではないでしょうか?幾分
過ごしやすい一日でした。土曜日なのでお散歩がてらお参りの方も多いようです。
さて、神社はご存知のように宗教法人格を持っています。礼拝の施設が無くなり、特段の理由もなく
2年以上礼拝施設を設けなければ、解散命令が法律上、出されることになります。さらに、礼拝施設
が在っても、宗教活動を行っていなければ、不活動法人として、法人格の取り消しなどが行われる事
に規則上はなっています。今回の震災で神社も氏子さんも被害を受け、それが壊滅的な状況から、
一様に解散などの法律が適用されるとは思いませんが、対策はとっておかなければなりません。
そして何より神様を流されたままにしておくのは、畏れ多いものがあります。よって、宮城県神社庁では、
流失した神社の跡地に御柱を建て、その御柱に神社の神霊を招鎮して、当面の祭祀の体制を整え
ようと努めています。 神々を神殿に奉鎮し、拝礼の為の施設を設けた、いわゆる神社神道以前の
古来の原始神道は、「いわくら」等で祭祀を行っていたので、御柱を信仰の対象とした庭上祭祀も、
立派な神道であり、史実をもっても、既存法に対応できるものと個人的には考えています。
そのような訳で、今日は津波流失した気仙沼支部管内、瀧上神社里宮に御柱を建てるべく、事前
調査に行って参りました。社殿らしきものは全く無く、周囲の家屋も流されたので、位置関係がつか
めないのですが、廃墟の中、唯一立つ朱の鳥居が、そこに在った神社跡を教えてくれました。
神社は基礎のみが残されていました。宮司さんが片付けたのか、地域の方々が片付けたのか、
神社跡はとても綺麗で、御神体を奉安していた本殿跡には茣蓙がひかれていました。あとは鳥居
から参道にかけての瓦礫を撤去すれば、御柱の建立も可能と思います。
神社は過去からの大切な大切な預かりもので、現代を預かる我々は、それを未来につなげる役割が
あります。「信仰」はコミュニティーの中枢であり、その絆や精神的支柱を担ってきました。きっとこれ
からもそうであると信じます。その為に、今は神様も踏ん張り時です。