一週間ぶりの日記です。
2011年 12月 9日
約一週間ぶりの日記です。もはや日記とは言いませんか?週記ですかね?今月は毎日お正月様頒布、
通称「お幣束切」に出かけています。
多く例年通りの行事などが行えない被災地や氏子地域もある中、あり難くも例年通りの行事が行えるこ
とに感謝しながら、さらに氏子の方々が神仏など尊きを尊きとする変わらぬ心に、変な表現ですが日本人
の健全なる精神を感じたりして日々を過ごしています。
今日も氏子さんのお宅にお邪魔し、集まってくる各御家庭のお幣束を準備、奉製しお祓いをし家内安全
心身堅固、そして明年の平安、復興をお祈りして参ります。
この様に今月は多く外出しております。車から町の様子を眺めていますと、建築規制が解除された場所や、
津波浸水域外の場所では建築ラッシュの様です。何日か前の地元紙によると、家や会社の補修や新築な
ど震災前の10倍ほどの発注数だそうで、新築に至っては1年待ちとか。本当に大工さんや建築会社さんは
大忙しの様です。それでここに何か建ててる、ここにも何か建てていると見ているのですが、何か地鎮祭を
したような形跡が無いのです・・・。我々は何故か雰囲気で分かってしまうのですね・・・。
先日、家の補修に大工さんを頼んだが、予定がつき次第と言われ、何時来るかわからないからお祓いだけ
しておきたいと言う方から依頼を受けお祓いにいって参りましたが、あまりに忙しすぎてスケジュールが立て
られず、地鎮祭などがお座なりになっているのでしょうか?自然というものを深く考えさせられた本年、自然の
営みの中に、人間の営みを上手く程よく合せながら生きる、それを共生と言うならば、例えば大地の神々へ
の祈り、地鎮祭などはあらゆる面において重要な事柄です。神主を呼んで行う地鎮祭は最も丁寧な方法です
が、未曾有の災害、未曾有の状況、対応にあって、それが難しいのならば、個人レベルで大地の神々にお神
酒やお米などを供し祈りを捧げるのも良いのかと思います。自然との共生、これも後世に発信してゆかなけれ
ばならない重要な事柄です。
それとお幣束切をしながらちょっと心配しています。「お幣束」「きりこ」などで神棚を華々しく飾り、神を迎える習
慣は当地域の貴重な信仰形態であり、文化形態でもあります。地元の建築業者さんは何も言わなくても「神棚
在りき」の建築設計をしてくれますし、皆さんもそれが当たり前だと思っています。でも震災後大手のハウスメー
カーさんがやってきて、大手さんの設計には神棚は無く、オプション扱いで、それも非常に簡素な物の様です。
地元の業者さんだけでは手が足りず、ニーズがあるからなのでしょうが、これは故習を守るべき立場の我々には
大変な問題です。先日も大手さんに依頼した氏子さんが神棚が無い家なんて考えられないと設計変更を迫った
そうですが、ちょっと困った様子との事です。事前にある程度の設計が出来上がっているものなのでしょうね。
これからご家庭の復興に向ってお家を建てられる方も多くいらっしゃるでしょうが、是非神様や仏様に見守られた
物質的にも精神的にも豊かなご家庭に復幸されることを願います。