故郷を去る人たち
2012年 3月 5日
今日は二十四節気の啓蟄です。「冬眠をしていた虫が目を覚まして地上へ這い出してくる時期。」
とありますが、朝カーテンを開けたら一面の銀世界、本当に今年は雪が多いです。でも次第に雨に
変わり雪も溶けました。
先日中学時代の友人たちの住所調べをしました。もともと過疎は進んでいて、地元に残っている同
級生は少ないのですが、この震災で益々その傾向に拍車がかかっています。この間も同級生が神
社にやって来て、「震災で仕事を失った、仕事を探すにしても都市部のほうが有利だから取り合えず
仙台に行くことにした。お参りしてから行こうと思ってね」と言いおみくじをひいてゆきました。
2、3日前の地元紙にこの一年の人口の推移が載っていました。なんと4000人減で7万人を割った
との事です。うる憶えの記憶ですが、確か気仙沼は女性の人口のほうが多かったと思います、それ
が今や男性のほうが少なくなったようです。おそらくは雇用が無いので働き盛り世代の流出が止まら
ないのでしょう。この震災、天皇陛下は当初より国難と思し召し、お心を砕かれていらっしゃいますが、
政府の方や議員の方々、お役人の皆様はどう思われていらっしゃるか?中長期的なビジョンを想定
することも必要かもしれませんが、様々な復興計画を検討してもそこに人が居なくなってしまっては
まさに絵に描いた餅、今は国難で国の危機、民の危機、実に急を要しているものと考えます。
神社にお参りに来た友人、ひいたおみくじは大吉でした。ありがとう勇気が出たと去ってゆくその後姿
に、幸多かれと願うしか私には術がありませんでした。