明日は火伏せ鎮火祭です
2012年 3月 6日
今日は当社総代長さんが理事長を務め、私の子供たちも御世話になっている、葦の芽幼稚園さんの新築
地鎮祭に行ってきました。昨日から朝方にかけて雨がひどかったですが、地鎮祭の時には小雨になり良か
ったと思います。開園から35年、耐震や老築化の関係での建て替えとの事ですが、より良い環境で幼児
教育が行われることは子を預ける親としても、町にとっても良いことです。今日の地鎮祭おめでとうございます。
午後からは明日のお祭りの準備をしました。お祭りというのは火伏せ神事、鎮火祭です。気仙沼では過去三度
大きな火災がありました。大正4年、昭和4年、そして昨年大震災時の火災です。大正昭和の火災も当時の気
仙沼町の大部分を消失する大火災だったようです。気仙沼市史の記録には、「大正4年3月30日(旧2月15日)
当町未曾有の大火、新町頭製板所より発火、1064戸を消失、損害額約150万円也。」
当社の氏子地域から発火し甚大な被害だったようです。以来当社では火防の神とされる秋葉神社で旧2月15日
に火伏せ鎮火祭を斎行しています。このように過去気仙沼では僅か15年の間で2度も町を消滅させるような大
火に見舞われましたが、見事復活を果たしています。昨年の災害も筆舌に尽くしがたいものですが、きっと復活す
るものと心から信じ明日の祭儀を斎行します。
明日の神事で使われる神具です。明日のお祭りでは秋葉神を奉斎し祈願をしますが、宮司は更に天津太祝詞を
申します。これは延喜式(歴史で習う三大格式のひとつですね)の中に定められる鎮火祭で読まれた祝詞で、諸説
ありますが当時は卜部氏が司った祭というのが有力です。宮城四方の外郭に於いて火の神をまつり、火防を祈る
お祭りでした。昔も今も火は無くてはならない物でありながら、一度扱いを誤れば甚大な被害を及ぼすものと、畏敬
の念を以って接していたのですね。さてその延喜式祝詞の中にこの様にして火を鎮めなさいと教え諭す一節があり
ます。「火結の神が荒れた時には水神がヒサゴで、植山姫が川菜で鎮め申し上げなさい」という内容のものです。
水神は水であり、植山姫は土の神であり、火を消すと言う面においては現実的ではなく、呪術的要素が強いものと
思われますが、神事ですから当社でも古来の故実のまにまに清水、ヒサゴ、清土、川菜を以って鎮火祭の神事を行
います。去年は震災の直後でお祭りが出来ませんでした。今年は火災がないように願うばかりです。
近年はお祭りを氏子内の婦人防火クラブさんとの共催で行っています。お祭りが終わると消防署の方からの防災講
義をいただき、直会をいたします。秋葉神社のご神体は木食遼天和尚が彫られたとされる秋葉神像です。御札には
その御姿を拝する事が出来ます。皆様のご参拝をお待ち申し上げております。
と言いながら明日のお祭りは宮司、禰宜、(直)権禰宜にお願いして私は所用で秋田へ参ります。スミマセン・・・。