新嘗祭です


長男に今日はなんで学校がお休みなんだ?と聞きましたら「勤労感謝の日だからでしょ」と答えが返ってきました。
そうなんです確かに勤労感謝の日なのですが、我々神社界にとっては新嘗祭という大事なお祭の日です。この五
穀豊穣を神々に感謝するお祭は1300年以上前から行われ、農耕を民族の基幹とする日本人にとっては大変重要
なお祭として位置づけられてきました。「勤労を尊び、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という趣旨のもと、昭和
23年に「勤労感謝の日」に改められましたが、そこに「恵みを受けて命を繋ぐ、その営みを神々に感謝する」という新
嘗祭の趣旨が継承されているかと考える時、少し首を傾げたくなります。勤労感謝の日の趣旨は、全てが人間主体
の考え方で、頂きますと言うように、いただき物を大自然=神に感謝するという日本人が潜在的に持つ概念は反映
されていないような気がします。聞いた話によれば、給食費を払っているのは親なのだから「頂きます」はおかしいと
言う父兄もいらっしゃるようで、悲しみにも似た思いを抱いてしまいますが、一見差障りの無い様に思える、例えば勤
労感謝の日の趣旨などは、民族性、国民性を違った方向へもって行こうとする策略的なものも感じてしまいます。
祝祭日は字の如く、そもそもお祭を祝い感謝する日、それを行う為の休日なのでしょう。今日は勤労感謝の日という
息子に、「確かにそうだがもっと大切なのは今日は新嘗祭という祝祭日だよ。毎日頂いているお米や食べ物を大自
然や神様に感謝する日だよ。だからDSばかりやって遊んでちゃ駄目よ」と教えました。
大自然、恵み、猛威、人知を超える力、存在を色々と考えさせられた平成23年。冒頭、神社界ではと書きましたが
訂正させていただきます。今日は我々日本人の「新嘗の祭」です。
ご神前に新穀をお供えしお祭りを行いました。午後には羽黒神社でも新嘗祭を斎行しました
五穀豊穣の神と称えられる当社境内社、稲荷神社にも新穀を奉りました。来年の新嘗祭までお供えします。
去年の荒稲は冬に備える小鳥たちにもおすそ分けです。去年の荒稲をお狐さんに背負ってもらいました。